日本で習った中国語、台湾で通じる?台湾の中国語と中国の違い

日本の大学などで「中国語」として学ぶのは、基本的に中国で使われている北京語(または普通話)ですよね。

「私が習った中国語って、台湾で通じるの?」
「台湾と中国で、使う文字が違うのは知ってるけど、発音や文法は?」

と、疑問に思う人もいるでしょう。

大丈夫です!基本的には通じます。

でも、少し違うポイントがあるので、台湾の中国語の特徴や注意点をお伝えしますね。

台湾でも中国語は通じる!

台湾でも、日本で習う中国語(北京語)は十分通じます。

文法は同じで、基本的な発音や使う単語もほとんど共通しているので、問題ありませんよ!

タヌ子
タヌ子

ちょっと待って!「基本的に」って、具体的にどのくらい?

パン先生
パン先生

アメリカ英語とイギリス英語、標準語と関西弁の違いくらいと考えて大丈夫だよ

タヌ子
タヌ子

あはは。台湾人は関西弁しゃべってる感じなんだと思ったら、急に親近感わいてきた

日本でも、地方によって使う単語が違って、その話題で盛り上がることってありますよね。
通じない!と焦るのではなく、違いを楽しんじゃいましょう。

もし万が一通じない場面に出くわしても、台湾人は外国人、特に日本人にとても親切なので、ゆっくり丁寧に話したり聞いたりしてくれると思います。

ちなみに筆者は、日本の会社の通訳の求人に応募して、聞き取りテストを受けたことがありますが、見事合格しましたよ!

私の中国語は台湾で学んだもので、テストで流れる中国語は北京語でしたが、イントネーションの違いくらいしか感じませんでした

台湾の中国語の特徴

台湾でも中国語が通じるとはいっても、台灣華語と北京語には違いがあるんです

台湾の中国語は「台灣華語」と呼ばれています。(台湾では「國語」とか「中文」といいます)

違いを詳しく解説しますね。

文字

中国では簡体字、台湾では繁体字を使います。

日本語繁体字(台湾)簡体字(中国)
学習學習 学习
外国外國外国
校門校門校门
繁体字の方が読みやすいと思いませんか?

繁体字の方が画数が多くて複雑なのかなあ…と心配になりますが、安心してください!

繁体字なら「車庫」は「車庫」です
ちなみに簡体字は「车库」

繁体字の方が日本語の漢字に近い(もしくは全く同じ)ので、日本人にとっては読みやすいと思います。

タヌ子
タヌ子

画数多くて大変そうだけど、今は文字を打つのがほとんどで、手書きってあまりないものね

発音

台湾の方が柔らかい発音をするので、北京語よりも優しく聞こえるはずです。

理由の一つは、「zhi/chi/shi」のそり舌音が、台湾ではあまり強調して使われないからなんです。
中国では、舌を深く巻いてはっきり発音しますが、台湾では舌を前歯のすぐ後ろにくっ付けるだけです。
それで、それぞれ「zi/ci/si」に近い発音になります。

タヌ子
タヌ子

そり舌音って、日本語にもない音だよね?

パン先生
パン先生

そう。だから、舌を巻くのが苦手な日本人にとっては、発音しやすくてうれしいポイントなんだ

語尾

台湾人は、語尾に一文字(啊/喔/呀/囉/啦など)つけたり、伸ばして発音したりして、語感を柔らかくする習慣があります。

それで、自分の微妙な感情やニュアンスを伝えるんですよ。

パン先生
パン先生

日本語の「~だね/~だよ/~だってば」みたいな感覚だよ

タヌ子
タヌ子

可愛い~!聞いてて親しみやすそう

例えば、以下のようなニュアンスで使います。

可以啊いいよ
好好吃喔美味しいよ
我跟你說過呀あなたに言ったじゃん
語尾の発音は、台湾語(閩南語)に由来しているそうです

単語

台湾と中国で、使う単語が違うものがあります。
でも、文脈で判断できることも多いので、それほど心配しなくて大丈夫です。

日本語台湾中国
タクシー計程車出租车
自転車腳踏車自行车
ヨーグルト優格酸奶
水筒保溫杯保暖杯
タヌ子
タヌ子

面白い!台湾ではヨーグルトのことを「優格」っていうのね

パン先生
パン先生

元の言語の音から取ってるんだろうね。
中国の「酸奶」は、直訳すると「酸っぱいミルク」だね

日常のちょっとしたフレーズ

中国のドラマを見たり、中国出身の方と話していて、私が一番違いを感じるのは、ちょっとしたフレーズです

例えば、以下のような例があります。

日本語台湾中国
どういたしまして不會 不客氣
おはよう早安早上好
そうなの?(あいづちなど)對/對嗎?是/是嗎?
タヌ子
タヌ子

じゃあ、台湾で北京語のフレーズを使ったらどうなるの?

パン先生
パン先生

意味は分かるよ!「もしかして中国出身の方なのかな?」とか「中国で中国語を勉強したのかな?」と思うくらいだから大丈夫

台湾で使われている他の言語

小さな島なのにもかかわらず、いろんな言語が話されているのが台湾のユニークなところ

実は台湾では、中国語の他に話されている言語がいくつかあります。

台湾語(閩南語・台語)

市場では台湾語が飛び交っています

台湾語は、中国福建省南部からの移民によって伝えられてきた言語です。

台湾では、年齢が上がるほど、また田舎に行くほど、台湾語を話す人の割合が高くなる傾向にあります。

パン先生
パン先生

多くの台湾人は、状況によって中国語と台湾語を切り替えたり、混ぜたりしながら喋ってるよ。

ちなみに、喧嘩する時台湾語だね

タヌ子
タヌ子

台湾人はバイリンガルなんだぁ。器用だね

残念ながら、台湾語と中国語は全く違う別の言語です。
でも、旅行者や留学生は、中国語が話せれば基本的に困ることはないので、大丈夫ですよ!

☛台湾豆知識
外国人がたった一言でも台湾語を話すと、台湾人は大喜びしてくれます。例えば「トウシャー(ありがとう)」や「パイセー(ごめんね)」と言ってみてください。盛り上がること間違いなしですよ。

客家語

客家語も、台湾語と同じく、中国南部から台湾に移住してきた人たちが持ち込んだ言語です。

台湾では主に、桃園・新竹・苗栗の客家人が使っています。

客家語も中国語と全く違うので、筆者は理解できませんが、客家料理なら大好きです。

パン先生
パン先生

客家料理って、味付けがしっかりしてて、ご飯が進むんだよ~

原住民言語

台湾には16の原住民族(先住民族)が公式に認定されていて、なんとそれぞれに独自の言語があるんです。

代表的なのは、阿美族(アミ族)・泰雅族(タイヤル族)・排灣族(パイワン族)などがあります。

これらの言語は、中国語とは全く別系統で、発音も語感もまるで南太平洋の言語のように聞こえます

パン先生
パン先生

山間部や東部(花蓮・台東)に行って、「この言葉、なんだか中国語っぽくない…?」って思ったら、原住民の言語かも

まとめ

日本で学んだ中国語は台湾でも通じるので、心配しないでくださいね。

ただ、ちょっとした違いがあるので、台湾旅行や留学前に、今回ご紹介した台湾の中国語の特徴を軽く頭に入れておくと、さらに安心だと思います

日本で中国語をかじったことがある方は、「台湾に行く前に、台湾で話されている中国語を勉強してからでないと!」と思って、わざわざ時間をかけて学ぶ必要はないですよ。

ぜひそのまま台湾へ来て、違いを楽しんでくださいね。

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